ワールドカップやグラチャン(ワールドグランドチャンピオンズカップ)など、大きな国際大会がある度にバレーボールに夢中になる方は多いのではないでしょうか?バレーボールには初心者には分かりにくいルールがたくさんあるため、試合を観ていると、「なんであの選手は後ろにいるの?」、「なんであの選手は何度も交代するの?」といった様々な疑問が浮かんでくることでしょう。
そこでこの記事では、最も一般的である6人制バレーボールのポジション名や役割を紹介したうえで、初心者が特に混乱しやすいローテーションのルールを解説します。ポジションやローテーションを理解すれば選手の動きや戦術が分かるようになりますので、「バレーボールを観るのは好きだけど、ルールはよく分からない」という方はぜひ参考にしてください!
【バレーボールのポジション】昔の名前をおさらい
バレーボールのポジション名は、2010年代に大きく変わりました。そのため、「昔はバレーボールのポジションを理解していたけど、近年になって分かりにくくなった」という方も少なくないでしょう。そこでまずは、バレーボールのポジションが昔どう呼ばれていたのか、簡単におさらいしましょう。
基本はレフト・センター・ライトの3種類
かつてバレーボールのポジションは、レフト・センター・ライトの大きく3つに分けられていました。
- レフト:コートの左側に立つ。右利きが多い
- センター:コートの中央に立つ。長身の選手が多い
- ライト:コートの右側に立つ。左利きが多い
特にレフトはスパイクを得意とする花形のポジションで、チームの顔とも言えるエースが担うポジションです。また、センターには身長2メートルを超えるような長身の選手が多く、相手選手のスパイクをブロックするのが大きな役割となります。
アタックラインで前衛と後衛を区別
レフト・センター・ライトの3つのポジションは、アタックラインを境にそれぞれ前衛と後衛に分かれます。アタックラインとは、コート中央のラインから3メートルの位置に引かれている線で、前衛の3人と後衛の3人を区別するためのものです。
例えば、前衛のレフトは「フォワードレフト」、後衛のレフトは「バックレフト」のように、それぞれ「フォワード」と「バック」という言葉を用いて、前衛と後衛を区別していました。ただし、この場合の呼び名は現時点での位置を表すことが多く、必ずしもポジション名とは一致しません。
バレーボールのポジションは主に5種類 | 名前&役割
昔のポジション名を踏まえたうえで、ここからは最新のバレーボールのポジション名を確認していきましょう。各ポジション名と英語での表記は、このようになります。
【バレーボールのポジション名:最新と昔】
- アウトサイドヒッター(OH):レフト
- ミドルブロッカー(MB):センター
- オポジット(OP):ライト
- セッター(S):セッター
- リベロ(L):リベロ
昔のポジション名と対応させると、それぞれのポジション名は上記の通りです。名称が変わったのは、主にスパイクを打つ攻撃型のポジションだといえます。
1. アウトサイドヒッター(OH)
アウトサイドヒッターは、昔の「フォワードレフト」に該当するポジション。他にも「ウィングスパイカー」、「サイドアタッカー」、「オープンスパイカー」など様々な呼び名が存在し、チームの中心となって周囲を引っ張る性格が向いています。アウトサイドヒッターの一番の役割は、何と言ってもスパイクを決めて得点することです。そのため、スパイク能力の高いチームのエースアタッカーが担う、花形のポジションであるといえます。
また、後衛に周った際にはレセプション(サーブレシーブ)やディグ(スパイクレシーブ)にも対応しなければなりません。そのため、単なるスパイク能力だけでなく、守備力を含めた総合的なスキルが必要とされるポジションです。
2. ミドルブロッカー(MB)
ミドルブロッカーはコートの中央でプレーするポジションで、昔の呼び方だと「センター」に該当します。名前の通り相手選手の攻撃をブロックすることが一番の役割であるため、何度も相手の攻撃に立ち向かう粘り強い性格が向いています。また、身長2メートルを超えるような長身の選手が多いのも特徴です。
攻撃参加時には、「クイック」と呼ばれる攻撃技術が求められます。これはセッターの小さなトスですぐに相手コートにスパイクを打つことで、長身を生かした角度のあるアタックが理想とされています。
3. オポジット(OP)
オポジットは、昔の「フォワードライト」に該当するポジション。オポジットは英語で「反対の」という意味ですが、この場合はアウトサイドヒッターの反対側にいることを意味しています。アウトサイドヒッターと並んで攻撃の中心となるため、チームを引っ張る性格が向いています。
オポジットの一番の役割は、アウトサイドヒッターと同様にスパイクを決めて得点することです。アウトサイドヒッターは右利きが多いのに対し、オポジットは左利きが多いのも特徴と言えるでしょう。昔の「フォワードライト」は攻撃的だけであるだけでなく守備的な要素も兼ね備えていましたが、現在のオポジットはかなり攻撃重視のポジションといえます。
4. セッター(S)
セッタ―は、アウトサイドヒッターやオポジットの選手にトスを上げるポジションのことです。昔の呼び名も「セッター」であるため、バレーボールファンなら馴染みのある名前でしょう。セッターの最大の役割は、味方選手がスパイクを打ちやすいように優しいトスを上げることです。味方のレセプションやディグが乱れた場合には、難しい体勢やポジションからでも味方にトスを上げなければなりません。アウトサイドヒッターやオポジットの選手に自由自在にトスを上げるため、チームの司令塔としての役割も果たします。
バレーボールでは1回につき3回までタッチ可能ですが、セッターは基本的に2回目のタッチをすべて担当します。そのため、ボールに触れる回数はチームの中でも一番多いといえるでしょう。白熱した試合でも戦略を考えられる冷静な性格が向いています。
5. リベロ(L)
リベロは、コート中央の後ろに位置し、相手のサーブやスパイクを受け止める守備専門のポジションです。こちらも昔の名前は「リベロ」と、呼び方は変わっていません。リベロはバレーボールの中では小柄な選手が多く、他の選手とは違う色のユニフォームを着ているのも特徴です。守備専門のポジションであることから攻撃参加は認められておらず、相手チームにスパイクを打ち込むことはできません。
チームの3タッチのうち最初のタッチを担当することが多く、セッターに向けて正確なレシーブを上げる技術が求められます。また、相手の攻撃に何度も食らいつく粘り強さと負けず嫌いな性格が向いています。
バレーボール初心者が混乱するローテーションとは?動きを解説
バレーボールの試合を観戦していると、自分のチームの得点が決まるたびに選手のポジションが微妙に変わることが分かるでしょう。これは「ローテーション」と呼ばれており、選手たちは決まった規則によってグルグルとポジションを変えています。ここでは初心者の人が特に混乱しやすいローテーションについて、細かいルールを確認していきましょう。
ローテーションはサーブごとに動く
バレーボールの試合でローテーションが起きるタイミングは、ずばりチームがサーブ権を得たときです。バレーボールでは得点するチームが変わるたびに、サーブ権を与えられるチームが変わります。たとえば自分のチームにサーブ権がある場合、続いてのプレーで相手チームが得点すると、サーブ権は相手に移ってしまいます、反対に、自分のチームが得点し続ければ、サーブ権が移行することはありません。相手チームにサーブ権がある状態で自分のチームが得点すると、自チームにサーブ権が与えられ、ポジションは1つずつ時計回りに回転することになります。
試合開始時のポジション
バレーボールの試合開始時のポジションは、各チームによって異なります。ここでは、世界でも特に主流とされている「バックオーダー」というスタイルに沿って、ローテーションの周り方を解説しましょう。サーブ権が自分のチームにあれば、まずはセッターのサーブから試合がスタートします。相手に得点を許した後でもう一度自分のチームが得点すれば、続いてフロントライトのポジションにいたアウトサイドヒッターがサーブを打つことになります。
このようにサーブ権を取るたびにローテーションで動くことになりますが、アウトサイドヒッター同士、オポジットとセッター、ミドルブロッカーとリベロは常に対角の場所でプレイすることになります。
リベロはなぜいつも真ん中にいる?
ローテーションの中で特殊な動きをしているのが、常に真ん中の後ろにいるリベロです。リベロはアタックラインよりも前でプレイできないため、ミドルブロッカーが後衛に回ったタイミングでミドルブロッカーと交代します。ミドルブロッカーが試合中何度も交代を繰り返すのは、常にリベロをプレイさせるために欠かせない作戦なのです。
また、例えばリベロがローテーションでバックレフトの位置にいる場合、味方選手がサーブを打ったタイミングでリベロは真ん中のポジションへ移動することができます。リベロが常に真ん中の後ろにいるのは、ローテーションでもポジションを変更できるためです。ただし、移動するタイミングがサーブよりも早いと、「アウトオブポジション」という反則を取られ、相手チームに1点追加されることになります。
バックアタックとは?
バレーボールの攻撃の一つとして、バックアタックが挙げられます。これはローテーションの関係でアタックラインより後ろにいるプレイヤーがスパイクを打つことで、主にアウトサイドヒッターやオポジットの選手が得意とします。バックアタックはコート中央のラインから3メートルも離れたアタックラインからのスパイクとなるため、圧倒的なジャンプ力が欠かせません。相手の意表を突くには有効な作戦ですが、スパイクの難易度はかなり高いといえます。
ポジションを覚えればバレーボールの戦術がわかる
バレーボールのポジションは名称が変わったことで少々複雑になりましたが、基本的な役割やローテーションの動きは変わりません。バレーボール初心者の方も、ローテーションの仕組みが分かれば「次のサーブで〇〇が交代する」、「次は〇〇のサーブが見られる」などと、試合の流れを予想しやすくなるでしょう。
さらに試合の流れが分かれば、選手交代の意図やチームとしての戦術面も理解できるようになります。単純に「点が入った」だけでなく「こういう意図があったから点が入った」と分かるようになれば、バレーボールを楽しむ視点としてもかなり上級者と言えるでしょう。ぜひこの記事を参考にバレーボールのポジションやローテーションについての知識を増やし、より深い視点からバレーボールを観戦してくださいね!



